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議会における憲法。

そんな異名を持つ「議会基本条例」。

12月18日の12月議会本会議最終日に成立した。

一名の反対者が出たのは残念だったが、
その議員も条例の内容については、
否定していなかったことから、
全議員の想いが形になった、
といっても過言ではないだろう。

自治の大御所である松下圭一さんの言葉を借りれば、

 議会は市民主権を土台とし、
 市民の選挙によって成立する市民の「代表機構」
 であるにもかかわらず、選挙が終われば
 「国家統治」の下請機構として市民に君臨しがちでした。

              ―――『自治体は変わるか』(P68)

こんな議会運営が、連綿と続けられてきた。

いや、決して否定ばかりではない。

その時代ごとに有権者が選択してきたのだ。

右肩上がりの時代には、
利益誘導の分配先の奪い合いこそが政治の第一の役割であり、
そのためには、行政の首長の先にある国との友好な関係を
優先していたのだろう。

そして、時代は変わった。

相次ぐ議会への批判。

「議会不要論」までが飛び出す。

民主主義の根幹をなす
「意思決定機関」である議会が、
なくなっていいはずがない。

しかし、市民から「いらない」
という批判を受けるほどに、
議会は信頼を失ってきたのだ。

時代はとうに不確実な財政の時代に入っている。
しかし、旧態依然とした政治が各地で行なわれていた。

左も右も関係ない。
議会が最も古かった。

一方の行政の長である首長には、
有望な改革派が名乗りを上げ、
次々に守旧派を駆逐していく。

その首長の激変緩和装置としての議会は、
相対的にみれば、
ますます古く見えることとなる。

こうした議会の危機の高まりに加え、
分権・自治の時代に入り、
自治体の決定機関である議会の位置づけは、
否が応にも大きくな理重要度を増した。

こうした流れを受けて、
各地の議会で加速度的な改革が進められてきた。

我がさいたま市議会も、
これまでのやり方を転換するべく、
各種の改革が進められてきた。

その到達点の意味合いの強いのが、
この「議会基本条例」である。

政令市では川崎市議会に続いて2例目。

自分で記すのはおこがましいのだが、
我が議会もここまで来ることができたことに感慨がある。

ただ。

私は、条例ができたから、
改革が止まってはならないと考える。

条例はこれまでの改革の可視化でしかなく、
むしろこれからが改革の本番である。

少なくとも私はそう考えている。

私が目指す「機能する議会」への改革は、
まだスタートラインに
ようやくついたばかりとの認識である。

まずは、議員間の討議を徹底することだ。
これまで行政に依存してきた議論を、
これからは議員が主体で行っていく。

行政職員は、参考までに発言する、
現状や法令などを伝える、
そんな役割にとどめる。

議員は政務調査費を駆使するなどして、
調査を行ない、行政に緊張感を与えていく。

真の意思決定権を行使する姿勢が必要だ。

また、行政へのチェックは、
盆栽枯死、病院の備品納入の事件を見ても、
さらなる深みがなければならないと自戒している。

議会内部での事業仕分けの実施など、
切れ味鋭い言動で市民のための
市政の実現に貢献する必要がある。

そして。

これからは、議員が政策条例を提案する。

ここは究極の目標の一つとなる。

「条例は行政職員が作って、
 議会はそれを追認もしくはチェックするだけでよい」

そんな趣旨のことを、
行政職員ばかりではなく、
議員自らが発している。

何と情けないことだろう。

自ら有している権能を、
自主規制して放棄してしまうとは。

相対的に行政の地位が上がり、
行政主導の運営が免れなくなってしまう。

経済が不確実性を帯びている昨今、
政治が自らの足で立たなければならない。

選択ができるのは、
唯一選挙で洗礼を受けた市長か議員である。

一方の市長は行政の支えがあるが、
議会はそこには依存してはいけない。

議員は、議会という機関を通じて
行政をコントロールしていく。

そんな未来を描きたい。

議会主導型とまでいかなくとも、
二元代表制の確立を念頭に、
この議会の自前の努力による条例の提案、
そして成立の状態化を模索していくこととなろう。

以前。

住民基本台帳の閲覧制限に関する条例改正案の
審議の際の例で明らかとなったが、
行政職員が最も嫌がるのが議員による条例提案だろうから、
まさにここに議会改革の目標や到達点があるといえる。

議員が条例案を提出しているかどうか、
どのくらい提出の努力をしているかで、
真の改革が進んでいるのかどうかが
評価されることとなっていくのではないか。

まずは、実験的な試みから始めたい。

私たちの会派は、
まぎれもなく改革推進勢力だ。

以上の改革を毅然として、
着実に進めていく。

国の保護が見込めなくなった今、
依存勢力や依存勢力だけでは、
運営がもたない時代に入った。

自治体の意思決定機関に、
責任勢力が必要である。

自ら運営に責任を負う勢力としての自負を持ち、
今度も普段の議会改革の市政を保ち続けたい。

議会基本条例の成立は、
そのために、
後戻りできない楔として、
議会に打ち込まれた。

新たな段階を迎えた。