• 「猫の手貸します」

「首相、判定見直し示唆」
「ノーベル賞受賞者と面会」

事業仕分けを通じ、
科学技術関係の事業にも
『廃止」「見直し」という厳しい結果が出ている。

この点に危機感を持ったノーベル賞受賞者らが、
緊急に首相に面会を求めたようだ。

受賞者たちの焦燥感も、
日本における科学技術の重要性も理解している。

しかし、鳩山首相には、
安易に見直しの意向を示すことは、
慎むことを望みたい。

個別要望を首相の胸先三寸で決めてしまったら、
仕分けの実施の意義自体に
大きな影響を与えることなる。

仕分けで厳しい結果が出ても、
首相さえ説得すれば、
事業は継続できる…

利害関係者はそのように考えるだろう。

首相と国民の意向が乖離したら、
民主党の政権の存続にかかわる
問題となることが危惧される。

今、仕分け作業が体現しているのは、
国民ぐるみの「聖域なき構造改革」なのだ。

小泉首相が提唱したものの、
既得権益にしがらんでいた
自民党の下では、実現し得なかった。

民主党政権になり、
時代の要請に従った
社会の在り方の転換点の
入口にようやく立っている。

自民党支持層であっても、
民主党に投票したのは、
それだけ改革への期待があったからではないか。

従来の既得権益に対し、
民主党が距離があったからこそ、
大胆な改革に踏み出せる。

民主党政権の誕生は、
政府や社会の在り方を変える
大きなチャンスといえる。

落ち着いて見ていきたいのは。

今、行なわれている事業仕分けは、
正式決定の場ではない、という点だ。

あくまで改革の入り口であり、
議論のきっかけをつくるものだ。

A事業について「廃止」という厳しい結果が出されても、
国会の議論を経て、
国民への説明を果たし、
国民の納得のもとで
そのA事業を存続させることはい大いにあり得る。

事業を廃止するのか、
継続するのか。

これを正式に決めるのは、
あくまで予算の審議を行う国会の場である。

これまでの予算編成の手法と異なるのは…

仕分け作業が
公開であり、国民の見ている前で、
行なわれているという点だ。

これまでは官僚の内部で行なわれていた。

そこに政治家や各種団体が
水面下で関わりを持ち、
権力の硬直化、私物化が行なわれていた。

この密閉状況に新鮮な空気を入れるのが事業仕分けだ。

ここにを政治家や各種の民間人の目を入れて
審査するということだ。

民間人には詳しい知識がない、
現場を知らない、
といった指摘がある。

だから黙って見ていろ、
という指摘なのだろうか。

これは既得権者の論理の最たるものだ。

「従来の官僚とは異なる視点を有する有識者」
の視点が組み入れられることは、
大きな意義がある。

事業存続のための説明。

その説明の対象は、
仕分け人でも、政治家でもない。

本質的には、
その向こう側に存在しじっと推移を見詰めている
不特定多数の国民である。

仕分けを経た今後、
廃止と判断された事業の存続を主張する者は、
ある意味では「素人」の国民に対して、
合理的に説明することを求められている。

この場合の国民とは、
納税者的側面の強い無党派層の人たち。

公費の使用に厳しい視点を
持っている人々である。

世論調査で事業仕分けへの支持が高いのは、
国民が今の時代の最も大事な課題を
踏まえているということの裏付けだろう。

本当に日本の国民は賢明だと思う。

当該事業の存在の意義が、
この賢明な国民に対して、
的確に説明され、
その上で納得を得ることができなければ。

その事業は、淘汰されていくか、
姿かたちを変えることを余儀なくされる。

だから。

利害関係者の立場に立てば。

仕分け作業において、
自分に関わる事業が
「廃止」などの厳しい判断を下された際には。

浮足立って感情的な物言いをすることに
エネルギーを注ぐよりも。

落ち着いて国民や国会議員各位に対し、
説明を積み重ねることだ。

なぜこの事業が必要で、
この事業が継続することで、
まだ生まれていない国民までが、
その投資の効果をどのように享受できるのか。

その点を説いていけばいい。

ここで説得できないようでは、
やはり時代が必要としていない事業だ
ということとなる。

だからそのまま「廃止」となる。

廃止されたら。

そこで浮いたヒト・モノ・カネが残る。

これらを、
今すぐにでも予算措置しなければならない
子育て・介護・貧困解消などの分野に
早急にまわさねばならない。

その逆に。

もし説得力があって
国民が納得して存続の意向をもったのに、
事業が「廃止」となったら。

民主党政権が国民の意向を無視したならば。

その時こそ、選挙の出番だ。
国民は別の政権を選択するだろう。

私は、
ノーベル賞受賞者の方々の説く
科学の重要性に共感する。

そもそも受賞者の方々は、
日本が誇る偉大な方々だ。

そしてその方々が主張されている事業の継続にも
一定の理解をしている。

日本だけではなく、人類全般は、
科学の進展のおかげで
ここまでの社会を築き上げることができた。

このことを忘れてはならないと思っている。

それでも、なお。

聖域を設けてはならない。

福祉や環境、安全保障の分野でさえも、だ。

国民が必死の思いで納めている税金。
この税金を投入して行なわれている
現在の事業について。

それらは本当に継続する必要があるのだろうか。

社会が立ち行かなくなる寸前にきているにもかかわらず、
継続することがふさわしいのだろうか。

そもそもこれだけ社会や
市場が成熟したこの時代に、
公的分野へのヒト・モノ・カネの投入が、
本当に必要なのか。

これらの疑問点に基づく事業の検証は、
例外なく必要である。

こうした検証とその先の議論を経て
次の時代のすべき事業が選定されていく。

次の時代に各事業が残るためには、
この厳しいフィルターを通過しなくてはならない。

もし今ある事業が存続することが決まっても、
大幅な見直しの上で、
時代に合わせて、
形は変わることを余儀なくされるだろう。

ところで。

科学の分野でも、
さっそく自浄作用が働き始めたことが報じられている。

とある科学者の会合。

ある参加者からは、
現在行なわれている、
ある事業への疑問が示されたという。

こうした「思わぬ成功」ともいえる副産物こそ、
事業仕分けの最大の成果だ。

今回の試みは、
日本の民主主義の深化に、
間違いなく貢献するだろう。

私たちは傍観者ではない。
評論家でもない。

主権者なのだ。

国民一人一人が
社会を運営する権力者なのだ。

権力を有するということは、
応分の責任も負うこととなる。

今回の試みが、
各分野における現場での議論を活性化し、
責任ある国民による議論と方向性の明確化へ向けての、
きっかけとなることを期待している。

先日も記したが。

日本は、もう待ったなしなのだ。

今でさえ、
燃料が尽きかけ、
船底には穴があいているのに。

少し先を見れば、
グローバル化、少子高齢化、人口減少といった、
大きな荒波が待っている。

「日本丸」の航行が危うい中、
これを立て直し、
安定的なものに変えなければならない。

少なくとも、
私たちは、将来の日本で生活する人たちに
責任ある行動をしていかなければならない。

民主党には、
ぜひ本筋の聖域なき構造改革を進めてほしい。

そのために今の仕分けは、
何としても最後までやり切ってほしい。

首相には。

仕分け作業に水を差さないためにも、
軽率な言動は慎むなど
余計なことはせず、
推移を見守ってほしい。

…長くなりました。

ついつい、仕分けに関しては
肩肘に力が入ります。

…それにしても。

あっという間に金曜日となっていました。
もう来週からは12月。

今年も、もう終わりですね。

来週は一般質問と市民生活委員会を控えています。

私は自分の持ち場で、
この時代の改革を引き受ける所存です。

   ★   ★   ★

11月26日

●早朝、自宅にて12月議会準備など
●午前、議会にて事務作業など
●12月議会・本会議(市民生活委員会委員長報告で登壇)
●会派会議
●常任委員会・正副委員長連絡会議
●武蔵浦和駅周辺開発関係の打ち合わせなど
●〜夜、議会にて12月議会準備など
●夜中、自宅にて12月議会準備など