• 「猫の手貸します」

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イサムノグチ――あまりにも有名な世界的彫刻家である。彼が全面的に構想したのが「モエレ沼公園」である。しかし彼は計画ができ、いよいよこれから、というときに84歳でこの世を去ってしまった。その後の計画は彼の事務所や担当職員たちが引き継ぎ、2005年3月に完成した。

公園内には人口の低い山がある。また、ガラス張りのピラミッド。各種のモニュメントなどが随所に配置されている。それにしても広大な敷地。年間訪問者数は約80万人。ゴールデンウィークと夏が覆いという。

もともとこの公園は、ゴミ処分場だった。札幌都市部のゴミ排出の急増に、ここで対応をしてきた。ゴミは1979年から1990年まで搬入されていた。また、治水機能として雨水の一時貯留池ともなっている。

自然に囲まれた特異な公園であった。公園に文化・芸術を用いるのは、発想として有意義だ。これで思い出したのは、ノルウェーのオスロ市の「フログネル公園」。この公園にも、数々の彫刻が並んでいる。「怒りんぼ小僧」はあまりに有名。人間の生き方を示す像の一つ一つがメッセージ性を帯びていた。