吉田雄人氏が横須賀市長に当選した。
年齢的なものもあるし、小泉元首相の応援した現職を破ったこともすごい。
でも。
私は彼の応援に横須賀まで足を運んだ時、時限の違う「すごさ」を目の当たりにした。
移動の車中のつかの間の時間、そして長者ヶ崎での昼食の時間。短い時間だったが、彼と意見交換をした。そこで彼の選挙にかける想いを理解した。
彼は言う。選挙前のある日。知り合いが著名な国会議員を招いてくれる、という話をしてきた。この知り合いは、もちろん吉田さんを想って、少しでも選挙が有利になって欲しい、という気持ちだったのだろう。候補者心理としたら、喉から手が出るほど欲しい言葉だろう。
しかし。
彼は即座に断った、という。
「(声をかけてくれた)あなたにこそ、マイクを握ってほしい」
そんな言葉を付け加えたそうだ。
彼はこうも言った。
「出来ることなら、自分の名前も言わないでいたいくらいです。有権者が自分で判断することが大切で、吉田雄人ブランドに頼りたくないんです」
彼はこの市長選挙の二年前の統一地方選挙で、市議会議員としては驚異的な数字でのトップ当選をしていたが、その過去の栄光にも頼りたくない、という心境だろう。あくまで選挙は、そのときの自らの肉声のその内容が大切だ、こんな言葉に彼の想いが見受けられる。
有権者を信じる気持ち。安易なものにすがらない姿勢。
これこそが新しい政治の最たるもので、彼は横須賀という地で、有権者との共同作業で、新しい扉を開け、歴史を創った。
しがらみのない立場で市長の座につく彼は、大胆な挑戦を繰り広げるだろう。さいたまの地から大いに期待したい。