• 「猫の手貸します」

とある日の夜。浦和駅西口周辺にて。

ある会合で食事をしたものの、
まだ小腹がすいている。

そこにシンプルな白を基調とした看板の
ラーメン屋があった。
こういう感じは好きである。
ただ、お洒落だが味は…というケースもある。

そうでなくとも、
冬のラーメンはおなか周りにたまる。

一度は通り過ぎた。
「何も見ていないのだ」
と自分に言い聞かせて。

しかし、足はおのずと止まった。
このまま家に帰ると後悔するのではないか。

う〜む。

腹の具合(腹まわりのこと)について
自問をしてみたが、
外は正しい冬の気候である。

よし、と予定変更。
自問会議の結果、全会一致で、
その気になるラーメン屋に足を踏み入れることとした。

暖簾や看板同様、
メニューもいたってシンプル。

メインのとんこつラーメンに加えて、
特製のとんこつがあって、
坦々麺。

メニューはそんなものだったと記憶している。
あとは替え玉やトッピングの項目だけ。
とんこつ一本で勝負している店とみた。

挑まれた勝負。こちらも買って出た。

普通のとんこつを注文し、
トイレに立つ。

用を足して、
スポーツ新聞を手にとってカウンターに座り、
件の一本勝負に挑むべく、
とんこつを待った。

厨房内のマスターの視線が気になる。
「お客さん、もう出来てますよ」

まず一本とられてしまった。
まるで早業である。

カウンターにはすでに、
湯気を濛々と吹き上げるラーメンが…。

さっそく食する。
読みかけた手前、
スポーツ新聞を読みながら。
でもこちとら味にはうるさいぞ、
と内心は思いつつ。

すると、またもマスターの視線が気になる。

他にもカップルらしき2人組が、
L字型のカウンターの
反対方向にいるにもかかわらず、
こちらをじっと見ている、
気がするのである。

その次の瞬間。

私は、ラーメンすでにそこに置きました、
の先ほどの早技よりもさらに驚くこととなる。

「土井さんだよね」

マスターは言った。

視線の理由を勘違いし、
スポーツ新聞読みながら食べるのやめんかい的な
叱りを受けるのかと準備していた手前、
意表を突かれた感があるが、
名前を呼ばれた以上、
スポーツ新聞から顔をあげ、
マスターを見つめる。

あ!

なんとそこには、
小中学校の同級生の顔が…。
N君だった。

身長は伸びたものの、
面影があり、
細い目の特徴ですぐにわかる。

そういえば表の白地のシンプルな看板に
筆文字で書かれた店の名前は、
彼の苗字なのだ。

卒業以来会っていないはずだから、
20数年ぶりである。

それほど長くはないが、
昔話や自分たち、
友人たちの近況の話に花が咲く。

「また来るよ」
と言い残して、
お勘定を置いてラーメン屋を去った。

浦和駅前。県庁通り。
決して家賃は安くはないだろう。

そんな場所でとんこつ一本で勝負する旧友。
さらには子どもを2人養っているそうだ。

これだけでも
応援団に名乗りを上げたい気持ちになった。

そして味は…相当うまかったですぞ!
さすがはとんこつ一本で勝負する勝負師。

また一つ、
行きつけのラーメン屋ができてしまった。

      ★

1月10日

●終日、自宅にて事務作業等

1月11日

●午前、自宅にて事務作業等
●午後、危機管理学会
 …豪雨・震災などの経験を踏まえ
  災害に強い職員像を探る
●危機管理学会会員との懇親

1月12日

●終日、自宅にて事務作業等

1月13日

●午前、会派会議
●総合政策委員会
 …請願審査一本。調査の議員間討議など。
●午後、議会にて事務作業など
●道場
●道場関係者との懇親

1月14日

●午前、自宅にて事務作業等
●議会にて様々な打ち合わせ等
●午後、下水貯留管内見学
●議会にて様々な打ち合わせ等
●夜、さいたま市民らとの会合