• 「猫の手貸します」

米国視察もいよいよ最終日である。
遅めの12時に集合。
この日はいくつかの地域を歩いて回った。

午前中、テレビを見ていたら、
どうも国内便が墜落したとのニュース。
「国内便も決して安全じゃあないのだなあ」
と率直に思った。
50人ほどの方がお亡くなりになったそうだ。

■ニューヨーク・シティ・マラソン
早朝7時ごろ、外でなにやらマイクからの音がする。
「ナンダ、ナンダ?」と窓の外を見てみると、
なんと歩道でバンドが演奏していた。
(こんなに朝早く…)

すると次の瞬間、
道路を警察車両が次々にすぎていく。
ニューヨークはなんと騒がしい街なのだろう、
日曜の朝からこんな状況なのか…。
そんなことを思っていたら、どうも様子が違う。

マラソンランナーが次々に通り過ぎていくのである。
この日はたまたま「ニューヨークマラソン」の日に
当たっていたのであった。

沿道には大勢の応援者が集まり、
時にはバンドの演奏を聴き、
時には選手に拍手を送るなど、
朝から人生を楽しんでいた。

■チェルシー
昼食をかねてチェルシーのある店へ。

NYに住む2人の日本人に同行していただき、
NYの現状などを聞いた。

そのうち一人は、
日本人のボランティアの受け入れを
業務とする団体を運営している。

すでに数年間の活動を経ている。
現地に根を張り、
活動している姿は頼もしく見える。

今回の視察では、
こうした現地に居住する方々に
多大な協力をいただいた。

現地を良く知っていることからアドバイスは適格だし、
トラブルにも強い。
ハリケーンや居住実態については、
自ら体験者としてその体験を語ってくださった。
この場を借りて感謝したい。

ちなみに昼食を取った店はジャズの演奏を聞きながら
食事を取ることができる店だ。
いい雰囲気だった。

■ハーレム
午後、ハーレム地区へ。
マンハッタン島の中心部に位置する
セントラルパークの上位に位置する。

この地区は、
かつて「犯罪多発地域」「治安は最悪」
といったイメージのあった街である。

地下鉄をおりて率直に思ったのは、
黒人が多いという点である。
それまで歩いた場所では、
黄色人種・白人・黒人・ヒスパニック…
様々な人種が見受けられた。

■グランドセントラル駅
日本でいえば、「東京駅」に匹敵する地下鉄の駅である。
巨大でありながら古く格調高いホールには圧倒される。
天井には星座が示されている。

日曜日ということもあってか、
人も多く中心地の雰囲気を漂わせていた。

■チャイナタウン
夜食をとるため、チャイナタウンへ。

先ほどのハーレムと対照的でこちらは黄色人種が多い。
ゆっくりと観察する時間はなかったが、
雑然とした雰囲気は、
他の地区とも異なり、
ニューヨークの多様性を示していた。

ともかくアグレッシブな街であった。

■リンカーンセンターのコンサート
夜、食事の終わった後、
チャイナタウンから北に移動し、
リンカーンセンターへ行った。

この日はジャズの大御所「ソニーロリンズ」の
無料コンサートが開かれていたのである。

ニューヨークのこうした催しが、
どんな様子なのか見ることを
兼ねて足を運んだものである。

約3000人の観客は、
時には静かに、時には声を上げて各々で楽しむ。

こうした場が無料で提供されるところが驚きだ。
ニューオリンズのフレンチクオーターのたくさんの店といい、
先ほどの昼食をとった店といい、
ジャズの音が鳴り響く街は活気があるとともに、
和やかであり、どこかやさしい感じがした。

     ★     ★     ★

本日で視察の全工程を終了した。
明日は帰るのみである。
また10時間のフライトがあると思うと、
気が重くなるが、
今回の収穫を思い出しつつ、フライトに備えたい。

(2008.8.28)