• 「猫の手貸します」

「東電はどう責任を取るのか!」
メディアをにぎわせている言葉である。
東電は今後の存続すら危ぶまれる状況にある。
応分の責任を果たさねばならない状況だ。
ただ。
私は、冒頭の論にいつも違和感を感じてきた。
私たちの国は、
国民が税金を払うなどの義務を果たし、
権限を与えて政府に活動をさせている。
これは国民の幸福のためである。
国民の幸福のために政府は重要な役割を担っているのだ。
その活動の一つに「市場の監視」がある。
今回の深刻な原発事故。
この事故の責任はどこにあるのか。
もちろん東電にあるのは間違ないが、
その発電事業の許認可権を持つ政府。
行政、ということだが、
行政にも応分の責任があるのではないか。
行政は市場つまり民間企業が暴走したりして、
国民に迷惑をかけたり、
安全や安心を脅かしたりしないよう、
日ごろから監視をする役割があるはずだ。
その責任も問わなければならない。
この点について、
示唆を得ている武田教授と同じ認識だったので、
下記に引用しておきたい。
さらには。
その行政を野放しにしてきた政治にも責任がある。
政治的に見れば、
民主党だけに責任が帰するのは不公平だ。
自民党政権時代にどんなことが行われてきたのかも、
問われるべきだろう。
今は、一日も早い終息を望みたいものだが。
   ★   ★   ☆
【ニュースのコメント】
東電の社長が、国会で、
「津波の想定が甘かった。申し訳ない」
と発言しました。このことで多くの人は「東電はケシカラン!」
言っていますが、私はまったく違います.
東電は私企業ですから、時に間違ったこと、悪いことをします。
でも原子力は危険だからこそ、国に多くの役人がいて「監視」しているのです。
東電が「甘い津波予想」で原発の申請をしたとき、
それをチェックするのは第一に保安院(経産省)、第二に安全委員会(内閣府)なのです。
東電が甘いのは仕方が無いとしても、
私たちの税金で監視している人は何もやっていないという事なのです。
そして、その人達(保安院)は謝りません。院長すら出てきません。
チェックしなかったことを悪いとも思っていないのです.
私が東電に甘いとお叱りを受けています。
確かに東電も評判が悪いのですが、東電は私企業です。
それに対してお役所は税金で私たちが監視を頼んでいるんです。
だから、私はこの議論がハッキリしないとまた同じ事が起こるので、
東電よりお役所を批判しています.
敵を誤ると、見当外れになりますので。
(平成23年4月20日 午前10時 執筆)