• 「猫の手貸します」

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■日本自治体危機管理学会 
■能登半島地震からの復興への取り組み
■講師:災害復興支援室の担当職員

●発生日時:H19年3月25日9時45分
●震源地:能登半島沖

家屋の倒壊が少なかったのは、雪国で建物が頑丈にできていたため。4月20日に激甚災害指定。この時、被災中小企業復興支援ファンドが創設されたが、これが使い勝手がよかった。輪島塗りなどの蔵の被害。これで仕事ができなくなった。すぐに復旧が必要であった。

復興支援基金のうち、住宅再建の補助については、10月から動いたが、それまでにすでに再建してしまった被災住民がいたため、その人たちがじ自力で再建したにも関わらず、タイムラグがあって救われないことから苦情が殺到した。基金開始後は、公営住宅に入りたいという80名の被災者のうち、30名が石川県の独自の災害復興支援基金を使用し、住宅を再建した。基金は役にたった。H21年12月に5年間の延長が決定されたが、県の事業に使用できるものに使用。柔軟性に欠けており、使い勝手が悪かった。

輪島市の取り組みだが、5月に議会への報告。議会が国に対して支援を求める意見所を提出。県の復興基金には、項目がある程度盛り込まれた。12月には、さらなる支援の拡充を求め、市議会から県に対し意見書を提出したが、県は一歩も譲らなかった。やがて喧嘩状態に。どこも市町も輪島市と同じ意見。そこで担当同士で連絡協議会を立ち上げ、県に要望書。それでも結局は受け取り拒否で変更なし。

地域コミュニティ維持支援事業。自治会などの祭りなどに充当。地域水道施設等復旧事業。市はできるだけ地域にお金を配ることが大切。年金暮らしの高齢者でお金がない。市の単費で出すと県の補助金が少ない。生活に困っている所得のない高齢者たちの問題は深刻であり、高齢者のための補助も用意した。

復興基金について、県はなかなか融通を利かせることができなかった。復興基金はなぜ作られた赤後いえば、被災者への支援である。支援は迅速でなければならない。被災者がなにを求めているのか、地元のニーズをいかにつかむかが大事。市町村は、「これなら補助金をもらえるかな」ということで要望しているだけであり、真に現場の意向を示しているとは限らない。冊子を作るよりも被災者に配ることを考えるほうがよい。

復興支援における議会との関係。3月の条例改正で入れ込んだ。輪島市は3万2000人の人口。300自治体。消防団は16分団。自力再建をあきらめて市外転出する人もいる。40世帯、ほとんどは独居老人。被災者のほとんどは自宅に戻る。そのための準備をしている。

地域コミュニティの活動は震災前と比較し、現状との違いは、祭りなど、地震前より薄くなってきているのは確かだ。高齢の人ばかりで、祭りが維持できない。若い人は、顔を出さず、近所づきあいもなく。輪島塗りや酒造メーカーの関係は、40%売り上げが落ちたが、20年度には18年度と同等に。しかし今度は世界同時不況によっることで不況に。

住宅補助は、災害前にある程度災害前に決めておいた方がいい。準備をしておいた方がいい。災害が起きる前に先に作っておくことも必要な視点だ。

輪島市の生活再建制度。国や県の再建支援の対象にならない小規模のものは輪島市が作っている。小規模災害のケアをする。災害に強いまちで売っていこうと内部で話している。

高齢者への心のケアハウスを建てた。仮設住宅撤去と同時に撤去。高齢者マップを作り、民生委員等が話を聞いている。

以上。